サイン入り
記録20号
冴えない男3人にも夏がきて、一丁前に、では夏の旅にでも出掛けようか、ということになった。
ひとりの男は「オレはワニに会いたい」といい、
ひとりの男は「ボクはけったいな所に行きたい」といい、
ひとりの男は「ワタシはスケベなものを見たい」という。
となれば、当然行く先は東伊豆の付け根しかないということになる。
で、ワニといえば熱川の<バナナ・ワニ園>だろうし、
けったいなところといえば伊東の<怪しい「少年・少女博物館」>だろうし、
スケべといえば<熱海秘宝館>以外にはない。
冴えない男3人は、なぜか真赤なマツダのアクセラに乗って東伊豆一泊の旅に出た。
楽しい、楽しい、夏のひとときであった。
-森山大道 あとがきより
- 判型
- 278 x 220 mm
- 頁数
- 52頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2011
- 出版社
- Akio Nagasawa Publishing
森山大道
Daido MORIYAMA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2016年、パリ・カルティエ現代美術財団にて2度目の個展「DAIDO TOKYO」展を開催。2018年、フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年、ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。
2021年、パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)にて東松照明との二人展「Tokyo: 森山大道+東松照明」を開催。2022年、アムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている。