サイン入り
記録22号
Signed
今年の4月、ロスアンゼルスに行った。
ぼくにとってのロスといえば、なんといっても、ビバリーヒリズの丘の上から目の下いっぱいに映る広大な夜景と、良い匂いが漂うダウンタウンのメキシカン・ストリートと、まるで映画のオープン・セットにまぎれこんようなリトル・トーキョー、そして、となり町サンタモニカ海岸に突き出たアミューズメント・ピアということになる。
ロス行き本来の目的は、ミュージアム「LACMA・日本館」での個展とトーク、そしてビバリーブルバードギャラリー個展にさいしてのオープニング出席などがその内訳けであった。
ロスアンゼルスは連日暑く晴れ渡り、光の風も人も街景もなにもかもが、“ロス”という以外にない口スが全開で、もう笑ってしまうほどのロスなのだった。
-森山大道 あとがきより(抜粋)
- 判型
- 278 x 220 mm
- 頁数
- 80頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2012
- 出版社
- Akio Nagasawa Publishing
森山大道
Daido MORIYAMA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2016年、パリ・カルティエ現代美術財団にて2度目の個展「DAIDO TOKYO」展を開催。2018年、フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年、ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。
2021年、パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)にて東松照明との二人展「Tokyo: 森山大道+東松照明」を開催。2022年、アムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている。