サイン入り
記録28号
サイン入
昨年訪れた台湾で撮影された新作を収録、記録誌過去最大の192ページにも及ぶ圧倒的なボリューム。
昨年の初夏、台湾の高雄を起点として、台南・嘉義・台中・台北・基隆の都市間を結ぶ400キロ余りのルート上を車で走行して、ぼくとしては久しぶりの“On the Road”撮影をしてきた。その撮影は、今年5月、つまり間もなく台北の「大藝出版」から刊行される「路上スナップのススメ」台湾篇を作るためのものだった。そして今号の「記録28号」は、その折に撮った幾多のカットの中から、台湾篇とダブらない形で編集した、いわばもうひとつの「路上スナップのススメ」である。走行し通り過ぎた台湾のさまざまな都市や町や村、そして擦過した沿道の人々の情景や光景は、写すぼくにあれこれの記憶を甦らせ、さらに数多くの新しい記憶を植え付けてくれた。
-森山大道 あとがきより(抜粋)
- 判型
- 278 x 220 mm
- 頁数
- 192頁
- 製本
- ソフトカバー
- 発行年
- 2015
- 出版社
- Akio Nagasawa Publishing
森山大道
Daido MORIYAMA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2016年、パリ・カルティエ現代美術財団にて2度目の個展「DAIDO TOKYO」展を開催。2018年、フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年、ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。
2021年、パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)にて東松照明との二人展「Tokyo: 森山大道+東松照明」を開催。2022年、アムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている。