CTY
オープニング・レセプション|4月5日(金)18:30-20:00
営業時間|11:00-19:00 (13:00-14:00 CLOSE)
営業日|木曜・金曜・土曜(日〜水曜・祝日休廊)
この度、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaは、アントニー・ケアンズ個展『CTY』を開催致します。
アントニー・ケアンズ(Antony Cairns)は、1980年ロンドン生まれのアーティストで、ヨーロッパや米国、日本など世界各地で作品を発表し、現在はロンドンを拠点に活動をしています。
ケアンズは、ロンドンや東京、ロサンゼルスのような都市の建物から投影される光を使い、夜間に写真を撮影し作品を制作します。彼が選ぶ構造物は建設中のものが多く、それはやがて完成するオフィスビルや高級マンションの骨格に過ぎません。ケアンズの作品は、空間・構造・建築様式を記録するために写真が使われてきたという従来の意味では断然非地理的なものです。しかし、作品に存在するのは都市環境を描写する独特のアプローチだけではなく、写真という複雑で洗練された媒体の全てを受け入れ包含しています。アナログフィルムの光の効果や暗室での実験的な一連の工程、21世紀の写真に対する様々なサポートの革新的で特殊化された理解を使い制作を行います。これまで、ケアンズは補完的でありながらも対照的な形で自らの作品を発表してきました。骨の折れるような作業を積み重ね、組み立てられた作品集「LDN」(2010)、「LPT」(2012)、「OSC」(2016)。アルミニウムのシートにゼラチンシルバーの半透明フィルムを直接塗布した写真を収めた「LDN2」(2013)、「LDN3」(2014)。電子インクを用いた実験として、ハッキングしたAmazon Kindleタブレットに自らの作品を収録した「LDN EI」(2015)やダゲレオタイプ(銀板写真法)の奇妙な遠い子孫のようでもあるフリーズしたタブレットのスクリーンを写した「TYO2」(2017)。2015年にはHARIBAN AWARDを受賞し、この賞を主催する京都の便利堂コロタイプ工房で2週間のアーティスト・イン・レジデンスを行いました。この時、再現可能な特性を介して写真の可能性を拡張、拡大する機会に再度直面したケアンズは、コロタイプのプロセスを通じて解釈した一連の作品を制作し「LA-LV」(2016年)として発表しています。最近ではデジタル時代の先史を探求し、その一つがかつてコンピューターのプログラム用に使用されていたパンチカードに写真を印刷しモンタージュとして構成した「OSC Osaka Station City」(2016年)です。一方で、時代遅れのデジタルカメラや機器を使い作品のスクリーニングや投影も行います。
本展では、ケアンズの初期作品である「LDN」シリーズを中心に、最新作を含めて展示致します。アルミニウムのプレートにゼラチンシルバーを塗布した「LDN」は、街の中の人工的な照明の感覚を表現した作品です。これは彼が他の作品においても一貫して追い求めてきた感覚であり、ロンドンやニューヨークなどでの展覧会において高い評価を受けてきました。日本では初めての紹介となります。また、マルチプル作品である「CTYスライドビューアー」は、中古のスライドビューアーを用いてフィルムを覗き込む作品です。ケアンズが街を撮影する際によく使用する35mmフィルムで構成されています。最新作「TYO2 Inverted」は、スクリーンプリント作品のポートフォリオセットです。以前に東京を訪れた際に撮影されたイメージが元になっており、元のフィルムを暗室で反転させたものを版として使用しています。
合わせて、会場では作品集「CTY」(限定750部・サイン&ナンバー入り/テキスト:サイモン・ベーカー)を販売致します。この機会に是非ご高覧いただければ幸いです。
アーティスト
アントニー・ケアンズ
Antony Cairns
1980年ロンドン生まれ。2002年にロンドンカレッジ・オブ・プリンティングを卒業。
ケアンズは、ロンドンや東京、ロサンゼルスのような都市の建物から投影される光を使い、夜間に写真を撮影し作品を制作しています。
ヨーロッパや米国、日本など世界各地で作品を発表し、現在はロンドンを拠点に活動をしています。
主な受賞歴は、「HARIBAN AWARD」(2015年)、「Images Vevey Special Jury Prize」(2017年)、「Gapado Air Hyudaicard residency award」(2019年)など。
主な個展歴として「PXL CTY」(MEP、パリ、フランス、2022年)、「The Tale of Adam Earl Gordons」(Théâtre de Verdure、ヴヴェイ、スイス、2018年)、「TYO2-LDN4」(Roman Road、ロンドン、英国、2017年)、「OSC – Osaka Station City」(Roman Road、ロンドン、英国、2016年)、「LA-LV / LDN Process」(SferaExhibition、京都、日本、2016年)など。国内外のグループ展にも参加し、主に「Steigltiz 19 Gallery」(アントワープ、ベルギー、2020年)、「Gapado Artist in Residence」(西帰浦市、大韓民国、2019年)、「Artificial Impressions」(ブレダー市立近代美術館、ブレダー、オランダ、2018年)、「Shape of Light: 100 Years of Photography and Abstract Art」(テート・モダン、ロンドン、英国、2018年)、「London Nights」(ロンドン博物館、ロンドン、英国、2018年) 、「A Matter of Memory: Photography as Object in the Digital Age」(ジョージ・イーストマン・ミュージアム、ニューヨーク、米国、2016年)に参加。
2023年、ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A、ロンドン、英国)でのプロジェクトに参加予定。