Middle of the Night
11:00–19:00 [13:00–14:00 CLOSE]
日曜、月曜、祝日休廊
この度、AKIO NAGASAWA GALLERY AOYAMAでは、写真家・石塚元太良の個展『Middle of the Night』を開催致します。
『Middle of the Night』は、白夜の薄明かりの中、アラスカの氷河にLEDライトを照射して撮影したシリーズです。極寒の中、一人でカヌーを漕ぎ、雄大な「自然」の風景を「人工」のライトで浮かび上がらせ、大型の8×10フィルムカメラで撮影しています。このシリーズに加え、「実在」の流氷を合成加工し、巨大な「架空」の流氷に仕立てた4メートルのパノラマ作品も同時に展示致します。
石塚は、十代の頃より世界中を旅しながらランドスケープを撮影しています。“Photography”=「写真」の語源が、“photo”=「太陽、光」と“graphy”=「描くこと」という自然物と人工的な所作が同居したものであることを知り、「相反するものの共在」を作品制作のコンセプトや手法として据えてきました。
これまでに発表してきたシリーズのひとつである『PIPELINE ALASKA』では、アラスカの観光地やツンドラと針葉樹林の広がる「大自然」と、1200km以上にわたり設置された無機質なパイプラインという「人工物」を追うように撮影しました。また『N/P』では、逆に自宅から一歩も出ることなく、同じ構図で撮影した静物の“ネガ”と“ポジ”をずらしてプリントし、異なる事象の共在、写真史へのオマージュを想起させます。
本展では、こうした流れを汲みつつ、撮影された風景の中にも、作品に仕上げる手法の中にも、「相反するものの共在」が深く息づき、止揚されたことを感じ取っていただけたら幸いです。石塚元太良が追い求め、表現してきた「写真」を、是非この機会にご高覧くださいませ。
会期中は、石塚の原点ともいえる、アフリカとアジアを縦断した旅の軌跡をまとめた初期作品集『WorldWideWonderful』(2002年 自費出版)を会場とオンラインショップ限定で販売致します。