アーティスト
東松照明
Shomei TOMATSU
1930年愛知県生まれ。
愛知大学在学中より写真の制作を行い、大学卒業後上京。
上京後は岩波写真文庫のカメラマンとしてそのキャリアをスタートさせる。
1959年に奈良原一高、細江英公らと設立したセルフ・エージェンシー“VIVO”、1974年に森山大道、荒木経惟らと開校した“WORKSHOP写真学校”に参加、戦後の日本の写真界を牽引する中心人物として活躍。
基地周辺の人物や風景をとらえた「占領」シリーズをはじめ、原爆の記憶を辿った『〈11時02分〉 NAGASAKI』(1966年)など、時代状況への鋭い視線とともに、写真表現の可能性を切り開いてきた。
1969年に沖縄と出会って以後、基地だけではなく豊かな自然や風俗への関心も深め、作品集『太陽の鉛筆』(1975年)を刊行。1999年には長崎へと拠点を移し、その後沖縄にも拠点を作り、旺盛な作品制作を展開。
主な個展に「日本列島クロニクル―東松照明の50年」東京都写真美術館(99年)、 「東松照明の写真 1972-2002」展京都国立近代美術館(03年)、「写真家・東松照明 全仕事」名古屋市美術館(11年)など。2007年までアメリカ、ヨーロッパ各地を巡回した「Shomei Tomatsu: Skin of the Nation」サンフランシスコ近代美術館(04年)など海外での展覧会も多数開催。
2012年肺炎により逝去。
出版物
Mr. Freedom
東松照明が「Mr. Freedom」と称し、自身の変身願望を自作自演で演じたセルフポートレート集。自身と共に森山大道、深瀬昌久、荒木経惟を被写体としたポートレート作品も収録。
ある日突然、東松さんから森山くんキミの写真撮らせてくれない?と言われた。ぼくは大して考えることもなくいいですよと答えると、女装して欲しいのよ、と言う。
ぼくは、えっ女装?と一瞬思ったが、その頃ぼくがよく行った新宿2丁目のゲイバーの人たちのような格好をすりゃいいんだろうとちょっと面白がってOKした。ところが後日小さなスタジオに連れこまれてそこで待っていたのは花嫁衣装だった。エーッ嫌だよーと言ったのが後の祭り、ぼくはお白粉を顔に塗りたくられてまんまと東松さんの餌食にされてしまった。
畜生!東松さんめ
-森山大道 後書きより
Tokyo: Daido Moriyama, Shomei Tomatsu
2020年6月からMEP(パリ)で開催予定だった『Moriyama – Tomatsu: Tokyo』展のために制作された写真集。
森山大道作品集、東松照明作品集、テキストブックの3冊組みとなっております。
※本展は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け開催延期となっていましたが、2021年5月19日より10月24日まで開催されました。