Rei
Gallery hours:11:00-19:00
Closed on Monday,Tuesday
*7月20日(月)は祝日につきオープンいたします。
この度、Akio Nagasawa Gallery では、須田一政新作展「Rei」を開催致します。
この作品シリーズは、須田が数年来密かに進行させていたもので、夜明けの銀座で
ショーウインドウに佇むマネキンを被写体としたものです。
須田にとって“マネキンとは何か?”
それはご覧いただければ一目了然ではありますが、
敢えて申し上げれば、“マネキン”とは須田の考える官能の極北に位置するオブジェです。
これまでの作品においても、日本の叙情の中にそこはかとなく漂う官能性が須田作品の魅力の
一つでしたが、今シリーズにおいては、それが前面に押し出され、また、それを誰憚ることなく目的化したものとなっております。
官能の象徴と対峙した写真家が、その無機質な肌の陰影、フォルム、細部を存分に凝視し、
視覚の悦楽に浸る様をご堪能頂ければ幸いです。
また、今展覧会におきまして、前述の最新作「Rei」と併せ、別室にて最初期作品シリーズ「Early Works」も展示致します。
最初期作品と最新作品を見比べ、須田の辿ってきた道程、多面性を、是非ご高覧ください。
展覧会に併せ同名の写真集「Rei」(600部限定・サイン&ナンバー入り)と、誰もが持つ幼年時代をモチーフとした写真集「Childhood Days」(600部限定・サイン&ナンバー入り)の2冊を同時刊行致します。
アーティスト
須田一政
Issei SUDA
1940年東京都生まれ。62年に東京綜合写真専門学校を卒業。67年より寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンとなる。71年よりフリーランスの写真家として活動を開始。76年、『風姿花伝』にて日本写真協会新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる。
その後、83年に写真展「物草拾遺」等により日本写真協会年度賞を受賞。85年に写真展「日常の断片」等により第1回東川賞国内作家賞を、97年に写真集『人間の記憶』により第16回土門拳賞など受賞多数。2013年には東京都写真美術館にて大規模な回顧展「凪の片」が開催された。
現実と非現実の間に漂う一瞬を捉えたその作品は近年とみに海外での評価も高い。
主な作品集に『風姿花伝』(78)、『わが東京100』(79)、『紅い花』(2000)、『私家版・無名の男女』(2013)他。Akio Nagasawa Publishingより『風姿花伝(完全版)』(2012)、『一九七五 三浦三崎』(2012)、『Early Works 1970-1975』(2013)、『Childhood Days』(2015)、『Rei』(2015)、『GANKOTOSHI』(2019)、『NEW LIFE』(2020)、『無名の男女(東京1976-78年)』(2021)、『関東風譚』(2022)、『物草拾遺』(2013)など多数。
出版物
Rei
ショーウィンドウに佇む無機質なマネキンに須田の考えるエロティシズムの理想を見い出した問題作。
夜が白々と明け、ゴールデンプロポーションの彼女たちが暗闇の中から立ち上がってくる。私は何はばかることなくそのフォルムを、細部を、存分に凝視できる。まさに視覚の喜悦である。
-須田一政 あとがきより抜粋