WITHERED FLOWERS[第二期]
開廊時間|木〜土 11:00–13:00, 14:00–19:00
休廊日|日〜水・祝日
この度、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaでは田島一成「WITHERED FLOWERS」展を開催致します。
田島一成は、90年代の渋谷系音楽シーンにおけるビジュアルで注目を浴びた後、現在は主にファッション写真の分野で一線で活躍している写真家です。その一方で、誰にも知られる事なく、密かに枯れゆく花の写真を撮り続けてきました。その作品群は、花をモチーフにした自分自身との対話です。今回展覧する作品群は一点を除き未発表のものばかりで、これまで知られてこなかった田島の本当の素顔を晒すことになるでしょう。その意味では、アーティストとしての田島一成のデビューの展覧会といえます。
本展では、沢山の作品を見ていただけるように、会期中に展示替えを二期に分けて行います。この機会に是非ご高覧ください。
展覧会に併せて同名写真集を刊行致します。
第一期:2020年12月3日(木)~12月26日(土)
第二期:2021年1月7日(木)~1月30日(土)
※2020年12月27日〜2021年1月6日は冬季休暇となります。
アーティスト
田島 一成
Kazunali TAJIMA
1968年 東京都生まれ。
写真家・五味彬氏アシスタントを経て独立後、1989年からパリ、ニューヨークで活動。
2002年から東京を拠点に、広告、ファッションを中心に、音楽系やTVコマーシャルにも活動の場を広げる。
1997年 American Photographie Annual(アメリカ写真年鑑)掲載。2007年、2013年ADC賞受賞。
出版物
WITHERED FLOWERS
枯れた花が好きだ。だけどいつも思うのは、花は茎から切りはなされた時、あるいは土とのつながりを断たれ た時、すでに死んでいるのだ。だから、一見美しく生けられた花もすでに死んでいるわけで、その先に枯れるということがある。枯れるといえば、当然僕ら人間が枯れるということに考えが及ぶので、僕のように枯れてきたということは、花のことを考えてみれば、すでに土とのつながりを絶たれているということかもしれない。僕はファッション写真というものが、写真というアートと独立して存在しているということを、このタジイマックスの写真集で初めて知った。そして彼があくまでファッション写真を撮る、ということに矜持のようなものを感じていることも。枯れた花は美しい。なぜ美しいと感じるのか。やはりそれは僕らがそこに無常を見るからに他ならないだろう。花は生死の事実を美しく見せてくれるのだ。そもそも花はなぜ美しいのか。ある学者によると、それは花が美しくあって、昆虫や僕らを楽しませたいからなのだという。僕はそれを信じる。
-坂本龍一 あとがきより
これらの写真群は一般的な美しい花の写真では無いかもしれないが、他者の視点や感覚を一切排除して自分の心に正直に撮ったものである。
-田島一成 アーティストステートメントより