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記録59号
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(前略)この個人写真誌「記録」も、ついに再刊19年めとなり、59号を迎えることとなる。現在はとうにない新宿ど真中のビルの上の、カフェ・ユイットで、現発行元の長澤章生さんから5号めでダウン、挫折してしまった三十数年もまえの私家版の手作り誌の再刊を強く要請されて、“森山さん「記録」は続けるべきです、僕が作りますから、すぐに一緒に始めましょう”と力強く言ってくれたのだ。その時のその一言で、もうぼくにとって記憶の向こう側の「記録」誌が、にわかに生彩を帯びて目のまえに映ってきたのである。長澤さんは余計なことなど何ひとつ言わず、“作りましょう。森山さんが現在撮っている写真をただお好きなように僕に渡してくれればそれでいいのです。僕は一切口を出しませんので「記録」を出しましょう! ”と言ってくれた。
その時から19年、ぼくの写真人生後半の写真(時たま入る仕事っぽい写真以外)のほとんどのスナップショットが、「記録」誌へと収斂されているのである。その間には、ぼくも国外に出たり写したりはあったが、それらも全て「記録」誌の1号となって発行されたことになる。つまり、ぼくが後半生から晩年に写し撮った、限りない日常の全てが、「記録」誌に、つまり記念、記憶、記録そのものになっているというわけだ。長澤さん、本当に有難うございます。
ぼくも、気力と足腰の続く限り、撮り写しつづけますから。*
森山大道あとがきより(抜粋)
- 判型
- 280 x 210 mm
- 製本
- ソフトカバー
- 頁数
- 120頁
- 発行年
- 2025.2.14
- 出版社
- Akio Nagasawa Publishing
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森山大道
Daido MORIYAMA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は“アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど世界的評価も高く、2012年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年、ウィリアム・クラインとの二人展「William Klein + Daido Moriyama」がロンドンのテート・モダンで開催され、2人の競演は世界を席巻した。2016年、パリ・カルティエ現代美術財団にて2度目の個展「DAIDO TOKYO」展を開催。2018年、フランス政府より芸術文化勲章「シュヴァリエ」が授与された。2019年、ハッセルブラッド財団国際写真賞受賞。
2021年、パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)にて東松照明との二人展「Tokyo: 森山大道+東松照明」を開催。2022年、アムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている。